子どもとの関係性を作っていくときに、子どもが自信を持たない人格になってしまうと大人に素直な感情を向けてくれなくなる可能性があります。
子どもにとっての根拠のない自信は、周りとの関係づくりに影響を与え、また信頼関係の形成にも影響します。
親子の信頼関係としてみるのであれば、その自信を持てないきっかけが親だったと将来的に言われてしまう可能性まであります。
子どもが周りの人と良い関係を作っていけるように、また人と自然に接していけるように子どものころの教育で意識するべきことや信頼関係の作り方などについてお話していきます。
良い関係=信頼関係
子どもとの良い関係が作れているかどうかは、信頼関係ができているかどうかです。
では信頼関係とはそもそもどんな関係なのでしょうか。
信頼とは「信じて頼ること」という意味ですが、信じるという言葉をもう少しかみ砕くと「それを本当だと思い込む」ことです。
組み合わせると「それを本当だと思い込んで頼る」関係という意味合いになります。
「思い込む」というところが肝心なところで、必ずその対象と言える相手がいて、自分1人の思いだけでは成立しない点です。
では、具体的にどんな感情が満たされることで、本当だと思い込むことができるのでしょうか。
親も子どもも1人の個性ある人間|「この人なら私をわかってくれる」が信頼へ
大前提として、人間は完全に自分と同じ顔や性格の人は存在しません。
親も子どもも1人の個性のある人間であり、それぞれ物事に対しての感じ方は変わってきます。
そんな個性を持った人が、信頼できると思える相手に抱く感情は「この人なら私をわかってくれる」という理解してくれていると感じたときだと言えます。
つまり、自分の個性を理解してくれて、尚且つ一緒に過ごす時間を有意義だと感じている人に対して「信頼」という感情を持つのです。
トマス・ゴードンの言葉「対立をどう解いたかでその後の人間関係は変わる」
トマス・ゴードン博士はの言葉にこのような言葉があります。
「対立は人間関係の真実の瞬間である、対立が何度起こるかではなく、対立をどう解いたかでその後の人間関係が大きく変わる」と言っています。
対立をするということは、意見が合わずに喧嘩や言い合いをすることを意味します。
対立が起こることで、その対立をどのように解決したのか、ということです。
子どもの喧嘩でよくあることで、嫌いだと思っていた相手と喧嘩をきっかけに本音が言える仲になったというケースです。
これを親子で言い換えれば、子ども目線だと「この親だったら何を言っても理解してくれる」、親目線では「この子だったら私のことを理解してくれる」そう思い合える関係性が「良い親子関係」と呼べる状態です。
信頼関係を築く第一歩
では、実際に信頼関係はどのように築いていくべきなのでしょうか。
信頼関係を築く第一歩目は「コミュニケーション」です。
言葉以外でのコミュニケーションの取り方と言葉でのコミュニケーションの取り方両方を使うことで、子どもとの信頼関係を作っていきましょう。
言葉意外のコミュニケーションを取ろう
子どもがまだ言葉を覚える前のような、言葉でコミュニケーションが取れない時期には、言葉以外の「触れ合い」をメインにコミュニケーションを取りましょう。
感情的になっている子どもには、そっと抱きしめてあげたり、悲しんでいる子どもには頭を撫でてあげるなどの触れ合いです。
感情的になることは、精神的に不安であったり、自分の居場所がないと感じているときになりやすいので、抱きしめてあげるような行動が大切になります。
大人も子どもも、「安心で安全な人、安心できる時間や空間」がないと、自分の気持ちをリセットすることができず、次に進むことができません。
そういった環境を作る意識を常に持つように心がけ「こういう場所にいたほうが安心する」や「こういう時間を過ごすのが安全である」と考えて環境を用意してあげましょう。
言葉のコミュニケーションは名前をつけて、肯定して褒める
次に、言葉でコミュニケーションを取る場合には、一緒に遊んでいるおもちゃなどに名前を付けて楽しい時間を共有してあげましょう。
名前とは例えば、車のおもちゃを「ぶんぶん」と呼んだりすることです。
このように名前を付け、一緒に遊び、尚且つ子どものした行動に対して肯定し褒めてあげることで、自己肯定感が満たされ、自分に自信を持てるようになていきます。
言葉と行動のどちらも使うことで信頼関係を築くと良いでしょう。
積み重ねが信頼関係になる
コミュニケーションは、その時々だけ意識して行うことではなく、日々の積み重ねから信頼関係を築くことができます。
仮に一言も話さない日があったときは、その1日だけで子どもとの信頼関係を取り戻すのに多くの時間がかかる場合があります。
その日その日で考えずに継続することを意識しましょう。
運転が怖くないのは、慣れるまで練習したから
日々の積み重ねという点で、車の運転に例えて考えてみましょう。
車の運転は、事故がつきものであることから「怖い」という感情を最初は持ちがちです。
しかしその感情は、教習所でのいくつもの講習と実際に免許を取った後に路上での運転を何度か繰り返していく中で「怖い」という感情は薄れていきます。
このように慣れるまで練習をしたものや積み重ねてきたものは、自信となり、それが人間関係であれば、信頼関係になっていくのです。
コミュニケーションも意識して繰り返すことが大事
コミュニケーションにおいても繰り返しが大切で、大人でも少し長期期間休んだ後の職場などには多少行きづらい感情を持ったりします。
また、数年ぶりに会う知人や友人との会話なども多少緊張したり、何を話すべきだろうなどと考えたりしてしまうものです。
子どもとのコミュニケーションも繰り返し行うことを意識することで「信頼」といえる関係を築いていくべきでしょう。
何気ないコミュニケーションよりも、言葉と体でのコミュニケーションの2つを意識して、効果的に行えるとなお良いでしょう。
信頼できる人がいることは、子どもの根拠の無い大きな自信につながる

子どもの自信は大きな財産になります。
将来に向けて何かに挑戦するとしても根拠のない自信が最初にないと、すぐに諦めてしまったり、何にも挑戦すらしないような子どもになってしまう可能性もあります。
子どもの自信は、周りに信頼できる人がいるのかどうかでも変わってきます。
信頼できる人が身近にいれば、何か自分が悩んでも助けてくれる人が近くにいるという安心感があるからです。
それが結果的に自信に変わり、子どもの成長に繋がります。
日々のコミュニケーションを繰り返し行うことを意識し、子どもとの信頼関係を築いていきましょう。