子供はなぜ学校に行くのでしょうか。
自分の子供や近所の子供、知り合いの子供などが「学校に行きたくない」と言っている言葉や話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
子供が学校に行く理由は、子供と大人では認識に違いが少なからずあるものです。
ここでは、その認識の違いや子供が学校に行かない、行かなくなる理由、また子供が大人に求めているものが何であるのかについてお話していきます。
子供が学校に行く理由
先ずは冒頭に書いた「子供はなぜ学校に行くのでしょうか」という疑問について大人が思う視点と子供の視点の2つをそれぞれ考えていきます。
①世間一般(大人)が思う学校に行く理由
大人が考える学校に行く理由とは、少なくとも20年間近く生きてきた中で身についていく一般常識に近いもの、世間一般の考えを持っていることがほとんどです。
では世間一般が思う学校に行く理由とはなんでしょうか。いくつか思いつきやすいものを挙げます。
- 義務教育
- 「子供は学校に行くのが仕事」という認識
- 勉強を教わる場所
- コミュニケーション能力を身に付ける
- 集団行動
共感できるものがこの中に1つはあったのではないでしょうか。
基本的には、将来のための勉強やコミュニケーション能力、集団行動などが理由として認識するものです。
それは、大人になり結果的に学校とはそういうことを学ぶ場所であったのであろうと無意識に感じ取っているからと言えます。
私の友人で変わった意見を持っている人が言っていたのは「恋愛を学ぶ場所」「好きなことを見つける場所」という考えを持っている人もいました。
②子供が思う学校に行く理由
先に大人が思う理由についてお話していきましたが、子供は学校に行く理由はなんでしょうか。
この先を読む前に、1度童心に帰って考えてみるのも良いかと思います。
実際に子供から聞いた考えも含め、いくつか考えられる理由を挙げていきます。
- 友達と話をしたり、遊べる
- 好きな人がいて同じ空間にいたい会いたい
- 学びたい勉学がある
- 好きな科目の授業がやりたい
- 休み時間が楽しい
- 給食が楽しみ
- 親に行けと言われているから
これを見て何かを感じた人もいるのではないでしょうか。
最後の親に言われているという項目を抜けば、好きなこと、興味のあるものを子供が自ら見つけ、それを理由と考えている子供が多いのです。
この理由を見ていくと子供が学校に行きたくない理由が見えていきます。
子供が学校に行かない、行けない理由
子供が思う学校に行く理由はシンプルであることがほとんどです。
中には将来を考えて理由にしている子供もいるとは思いますが、多くは自分の興味のあるものや目の前のことが理由に繋がります。
では学校に行かない、行けない理由は何でしょうか。
その理由を大きく分けて4つご紹介していきます。
①いじめ、教員・友達との人間関係の問題
子供が不登校になる多くの原因は、いじめや友達、教員との人間関係が問題だと言われています。
社会人になった大人でも悩む事の多いのが人間関係です。
今回は細かく触れていきませんが、学校の中で起きるいじめの原因をいくつかご紹介します。
最初の友達づくりで緊張して友達ができなかったケースやあるきっかけで友人を傷つけてしまう、特に理由はないが弱そうと見られていじめられるなど様々です。
人間関係は永遠の課題になりますが、子供の頃に受ける人間不信やいじめは一生を左右する可能性もあります。
②学業、進路の不安、学校のきまりへの不適応
2つ目は学業、進路の不安や学校で決められている決まりや校則などになじめないことです。
学業が苦手な子供は当たり前にいます。
「努力をしていないからだ」という言い分も理解することは可能ですが、人それぞれ個性があり才能、得意分野は変わります。
勉強が苦手が故に周りに馬鹿にされたり、進路の選択肢が少なくなり不安が募ることも少なくありません。
また、校則の厳しさは各学校によって変わるもので、その環境になじむことができないのも不登校になる原因の1つです。
③入学、転入、進級への不適応
次に入学のような環境が変わるタイミングに子供がなじめない結果不登校の原因になる可能性があります。
5月病という言葉を聞いたことがある人がほとんどだと思います。
これは新しい環境になじむことができず、精神的なストレスを抱えやすい時期が5月であることから言われるようになりました。
④家庭の問題
4つ目は家庭環境です。
不登校と聞くと学校で起きることが全てのように聞こえがちですが、実際は家庭環境が影響してくることもあります。
家庭の問題は要因は様々ですが、虐待、金銭的、出張の多い家庭、夫婦仲など挙げていくと多く出てきます。
家庭というのは、子供が1番身近に見る環境であるため、その家庭に問題があると影響を受けやすく、不登校に繋がることがあります。
子供が大人にして欲しいこと
ここまで不登校の原因や子供が学校に行く理由についてお話してきました。
ここで認識しておきたいことは、解決策です。
子供が大人に何を求めているのか、して欲しいことは何であるかを理解することで子供との関わり方が変わっていきます。
①学校に行かない理由をきかないで欲しい
子供は親に迷惑をかけたくなかったり、学校に行かない理由を聞かれ答えることで自分に原因があることを認めてしまい自信を失う可能性があります。
理由を聞かずに大人が原因を認識することは非常に困難ですが、子供にもプライドや感情があります。
悩んでいたり、辛そうな子供を見ているだけというのも心苦しくなりますが、何も言わずに傍にいてあげるなど、時間をかけて子供から理由を話をしてくれるのを待つ方が良いでしょう。
②学校に行けない私のことを恥ずかしいと思わないで
普段子供の傍にいる親や大人が学校に行かない子供を恥だと感じる人はいると思います。
しかし子供は、そんな自分をダメな子供、恥ずかしい子供と思ってほしくないのです。
子供なりに考え、もがいている、その姿を認めてあげることが大切なことで、自分で成長しようとしている子供を恥ずかしいと思うのは子供の成長を止めてしまう可能性があります。
③学校以外にもコミュニテイがあることを知って
目を向けるべきは学校以外にもコミュニティがあるということです。
学校は将来の為に多くのことを学ぶ場ですが、その多くの学びを他のコミュニティで補うことも可能ではあります。
子供が生活していく中での喜びを見つけてあげるのも良いでしょう。
学校に行く理由に相違がある
親や周りの大人の対応で、子供の生き方が左右されます。
子供の気持ちを尊重し、新たな環境を提供していくことで、復学、社会復帰のきっかけを作ることができます。